Love Birthday‥
昼休み、久美子と小百合がトイレに行った途端
理子が私を屋上に連れ出した。
「急にどうしたの? 何かあった?」
心配して理子に声をかけると、理子が頬を膨らませて言った。
「心配してるのはこっちだよ!
愛実、正直に言いなさい。吉田君と付き合ってるでしょ?」
「えっ!!??」
驚いて声がひっくり返った。
その後、理子は真剣な顔でずっと私を見続ける。
瞳の奥を覗かれている気がして、嘘はつけないと思った。
「付き合ってないよ……」
「本当?」
「うん」
「好きなの?」
「たぶん……好きじゃない」
息が詰まる感じがした。
理子の瞳を見ると、嘘はつけない。
だけど、本当のことも言えない。
理子に嫌われたくない。