生徒会のスガオ
妹さんは頭を下げると友達と一緒に歩いていった。その様子を心配そうに見ている木之本さんとその姿を不気味な笑みを浮かべて見る三宅さん。


「坂倉さん何してた……の、ここで」

「あー、えっと、見回りかな。そうしたら変態がいたから」

「それって、僕のことですか?」

「や、違いますよ」


私ヤバい。今、ちょっと危ないことを話していた。最近、口が軽いような気がする。あの時から私、我慢が出来なくなってるみたい。


「……見回りですか。何か異常ありましたか」

「ストーカー以外は何も」

「だから僕はストーカーではありません」


ムキになるように話した木之本さん。ちょっと楽しい人だね。絡みにくいイメージがあったから話しやすい。


「ねえ、アザミって知ってる?」

「名前だけなら聞いたことはありますが」

「……関わるだけ、無駄」

「三宅さん、知ってるの?」

「三宅は処罰された瞬間を見たことがあるみたいだな。社会的に制裁されたらしいですが」

「社会的にって……何があったの」

「たしかその時は、校内の窓ガラスを割って回ったというバカを始末したようですが」

「……歌か」

「確かにそのイメージがありますが、それは単なる八つ当たりだったらしいですね。叱られたことに対する……自分勝手ですよね」

「それは最低だね。器物損害で罰則はあるんでしょ」

「もちろん修理費は払わせましたよ。優しくするつもりはありませんから」

「……三宅さん、やっぱり木之本さんって怖いよね」


小さく、ふふふ、と三宅さんは笑うだけだった。木之本さんは優しいけど怒ると恐い裏のボスということを認識した。
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