生徒会のスガオ
「なんだ、そのマスク」


関会長も気付いたようで近付いてくると、ツッキーのマスクを予告もなしに剥がした。


「あ!!」


まるで金太郎飴のように一枚のマスクの後、またマスクがあった。それにギョッとした関会長はまたマスクに手をかけた。
それからのスピードは早く、休むことなく外していくが全然顔が分からない。


「アニメか!」


私は思わずツッコミをしていた。その言葉に関会長はようやく手を離していたが疲れのせいかゼーハーと呼吸をしていた。
見た目が不良なのに、意外と楽しい人だ。


「おまえの顔の中身はどうなってるんだ」

「……何でもないです」


ようやく月居くんに戻ってマスクを外すと、メガネ姿に戻った。それを見て関会長が眉間を押さえてため息をした。


「おまえは見たことあるのか?」

「私はないです。今日、初めて会って」

「……そうか」

「気になりますよね」


ダメと言われるものほど気になってしまう。パンドラだって開けてはいけない災厄を詰めた箱を開けてしまった。
気にならない人はいないだろうね、三宅さんもだけど。


「おまえらは、新人だから難しいことはさせられないが、学校の見回りやらをしてもらう」

「見回り?」

「ああ、行事に関しては慣れたときにやってもらうから今は見回りばかりだ」

「見回りだって苦痛だけどー」

「え?」


三宅さんの言葉に私は少し困ってしまった。何が苦痛なんだろうと不安になってしまった。
その様子を見ていた木之本さんが助け船のようなものをくれた。


「まあ、ひとりで回らせないから大丈夫ですよ」


本当にそうなのかと安心の反面、なせか笑っている関会長が気にかかった。

そういえば、この学校って不良が異常に多いんだよね。
< 6 / 30 >

この作品をシェア

pagetop