それでも 求めてる

神木先輩の家はあたしの家から

けっこー近くてびっくりした。


だから公園に来るのも早かったのか。

そんなこと思っていたら

『適当に座って?』

「あぁ、はいっ」

するとクスっと笑って

『緊張してる?かわいー、夢ちゃん』

「…からかわないでください」

笑いながら言うあたしに

『嘘だったら、俺はここに連れてきてないし、キスだってしないよ?』

またそう言って、怪しく笑うの。

わかってるのに、

求めてしまう。

欲しくなる、先輩の全部が。
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