それは、ナイショの恋*【短編集】
「キミは、美術部?ごめんね、部外者が。」




「いいえ!部員、人気ないんで恥ずかしながら、私のみなんですよ!」




中等部と高等部で繋がっているうちの学校は、センパイ達が中等部の校舎に出入りしているのはザラだ。



センパイは、「そっか」と言って笑っている。



少し髪が伸びているのか、目に掛かりそうな前髪から、すり抜けて見える瞳。


笑うと見える八重歯。




みんなにはセンパイはどう写っていた?





「センパイ、なんか悩みあるの?」




------あぁ、どうしてこんなセリフが出て来たんだろ?





「なんか悩みあるように見える、俺?」




私は、センパイの心の奥も覗いて見たいと思った。けど、今日、知り合ったばかりなのにって感じだよね、センパイにしてみれば・・・・



私とセンパイは終始言葉は交わさず、時間だけが過ぎていった。





「・・・・・・来て。」




センパイは、私の手を勢いよく引っ張ると、走り出した。





「センパイ、どこ行くの?」ってゆう私の問いかけにも全然見向きもしてくれない。



どうしたの? どうしたの?



私には何も出来ないよ、今日はちょっと暑いし、もう体力も限界だよ・・・・・!!!





< 31 / 36 >

この作品をシェア

pagetop