【完結】遺族の強い希望により
「NO!」

ジェシカがその時叫んだのは、確かに英語だった。
日本語を流暢に話す彼女がうっかり母国語を漏らしたのは、明らかに感情の昂りの表れだった。


「いいえ、いいえ違うのです。全て私が悪いのです。責めてください、どうか私を。私のことだけを。真実を全てお話しします。私は許されないことをしました。あなたは決して私を許してはいけません」

必死の訴えだった。
悲痛な叫びだった。

美和子は全身に鳥肌が立つのを感じた。
聞きたくない、そう思った。
話を聞かずに振り払って逃げることは簡単だっただろう。
それなのに、美和子の足はそこから一歩も動けなかった。

聞きたくない、けれど、聞かなくてはならない真実とやらがそこにはあるのだと、ジェシカの形相は語っていた。
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