【完結】遺族の強い希望により
「隠すなよ。頼む、教えてくれ。分かってんだよ、妊娠したんだろ? お前に子どもが出来たんなら、父親が俺以外なわけない」


その声は掠れ、苦悶に満ちた表情だった。
妊娠という噂はどこにもなかったはずだが、何故か亮はそれだけは確信を持っているようだった。


「どうしてそう思うの? 仮に妊娠してたとして、相手は他の人かもしれないじゃない」

「そんなわけないだろ!」

「……大きな声、出さないでよ」


また少し、周りの注目を浴びていた。
料理の皿を下げられてドリンクだけで話し込んでいるし、先ほどからの周りの目もあり段々居づらくもなってきている。
< 259 / 450 >

この作品をシェア

pagetop