【完結】bitter step!
「言葉遣いって」

美紗みたいなこと言うんだね、と吐き出すように嗤う。
他に言葉が見つからなくて。


もう一度ボクを覗き込んだ純平の顔には、疑問と心配が浮かんでいた。

「まあ……思ってたより元気そうで、何より」

そう言いながら鼻の頭を掻いた純平に

「おっさんか」

ボクはそう吐き捨てた。

すかさず武器(クッション)を取り上げた純平が、「てめぇ」と言いながら笑った。


ボクらにしんみりは似合わない。
多分純平だって、そう思ってる。

だからボクが望めば、重たい空気は一瞬で霧散する。
居心地の良い気楽な空気はすぐに戻ってきた。


気にかけてくれている。
それだけで十分だ。


ここはボクの――、居場所。
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