【完結】bitter step!
そこで、急に頭の上が、ふっと軽くなった。
空気の通りが良くなって、少しだけ、スースーする。


ボクが無意識にそこに手をやった瞬間、騒がしかった生徒会室が、一瞬で静かになった。


「ご、めん……なお。嫌だった?」


俯きがちにそう言った響先輩はやっぱり睫毛が長くて、泣きぼくろはこういう顔をしている時には、やっぱり本当に泣いているように見えてしまう。


「何が?」

と言ってから、頭に乗せた手のことだと気付いた、鈍感なボク。

頭を触られることは、美紗が目くじら立てたり先輩がこんな風にしゅんとするほど、ボクにとっては大したことじゃない。


「あ、いや、別に嫌ってことは――」

……いいですよ、とも、言えないか。
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