【完結】bitter step!
ボクの部屋に、今、響先輩がいる。
そう思っただけで、一瞬で安堵に包まれた。

何、……これ。


――分かってる。
居場所を見失ったボクの、ただの逃げ道だって。
先輩の気持ちを利用した、ボクの甘えだって。


それでも、安心したんだ。
言いようのない暖かい何かが、ジワリと沸き起こる。

守ると言ってくれたこの人に置いて行かれてしまったことがどれだけの不安要素になっていたのか、ボクはようやく自覚した。

約束してくれたのに。
なんで一緒にいてくれなかったの?

あの後今まで、一体

「どこに……!」
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