恋の禁断症状
そろそろ帰るね、とはやる心を抑えて軽くキスをした
勢いよく門扉を出たところで異様な気配に気付くと
「…まさふみ先輩?」
思わずわたしは足を止めた
「こんなところで、何してたんだ?」
声を押し殺して怒りを静めているようにもうかがえた
「先輩こそなんでこんなところに」
「そんなことはどうでもいい」
わたしの言葉を遮って続ける
「お前、ここで何してたんだ?LINEをしても返事はないし、午後からは家で勉強するからって聞いてたから自宅に行ってみてもいないし。まさかと思ってここをたまたま通りかかったんだ」