恋の禁断症状
「ごきげんよう」
校長室の扉を開けるなり、わたしはある人物に呼び止められた
「吉永さん…?」
彼女は腕を組み、壁にもたれていた
「あなた、わたしの忠告を破ったわね?」
「……忠告?」
吉永もも子とのやりとりを反芻してみる
休み前の出来事を忘れるはずもなかった
「あんたはもも子のお兄ちゃんをたぶらかしながら、井上和幸をも関係を持って一体どういうつもり?言ったわよね!?お兄ちゃんを裏切るようなことをしたら…」
吉永もも子は口元だけは笑っていたが目元は笑っていなかった
「…これは、罰なのよ?」
「……罰!?」
「そうよ、いいから突っ立ってないでちょっと着いてきなさいよ」