恋の禁断症状

マナは布団から起きて放心状態の様子だった

明らかに何かがおかしい

「変わりはない?」

わざと訊いてみる

問い質すより、こちらのほうがマナの精神により触れる気がした

嗅ぎ慣れない香水のような匂いが充満している

マナが使っているデオドラント・スプレーのスウィートベリーの代物では決してない

もっとセクシーで艶っぽくそれでいて野暮ったい香りだ


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