恋の禁断症状
「べつに」
素っ気ない態度に少し意地悪になっていた
「可愛いから気になるんでしょう」
「いや、違う」
かずゆきは数冊の小説を借りる手続きをしながら話す
「だってあの娘、まさふみ先輩の妹だろ?それに……可愛いから気になるのはマナだけだし」
最後の方はヒソヒソ声で話すから何を喋っているのか聞き取れないでいた
「え、何?聞こえない」
図書カードに本の題名やら貸出しの日付やら慣れた手つきでスラスラ書いて行く
「聞こえなくてもいいよ、あとでたっぷり聞かせてあげるから」
耳もとでそっと囁かれるとそういった類いのことを呟いたのかと予想出来たので耳先から熱く火照る思いにかられた