恋の禁断症状
「え?わたしピアノなんて習ったことないし弾けません…どこがどの音なのかさっぱり分からなくて」
「まぁ、とりあえず椅子に座って」
先輩はしきりに椅子へ座らせようとした
「無理です、無理です何も弾けないからっ」
「いいから、いいから。音階が分からないってことは……まず、右手をチョキにして」
言われたまま右手をチョキにした
「じゃあ次な、黒い鍵盤が2つあるところにこのチョキの指で作った人差し指と中指を置いて」
「こうかな…」
少し緊張しつつもまさふみ先輩が教える通りに指を置いてみた
「んでもって、親指を開いてみて」
「はい…」
「そうそう、その親指がドを弾いてるんだよ。ドレミファソラシドの最初のドな」
「なるほど」