睡恋─彩國演武─

しかし、無益な衝突を望まない両国の皇達は、二つの約定のもと、争いを避けた。


一、陰は異形をけして国外に出してはならない。

これは、異形が陽の神々に悪影響を及ぼさない為に。


二、陽は、必ず王族の女子を一人、陰へ嫁がせること。

これは、陰の王家に女子が生まれない事からきている。

必ず男子しか生まれず、また稀に生まれた女子は異形、禍とされ間引かれた。

そこで、陽から高貴な身分の女子を一人だけ嫁がせるのである。



こうして陰と陽は和解し合い、共に平和に暮らしていた。








あの運命の日までは。






< 4 / 332 >

この作品をシェア

pagetop