深紅の花に姫君《改装版》
「それで、話の続きは?」
「あ、うん。それでね………」
私は、簡単にあの日の事を二人に話す。
「ヴァンパイアがこのアルバンテールを狙ってる。しかも、その純血種は、お母様を……」
お母様を、殺した。
「許す……なんて、簡単には言えない。でもね、私には復讐よりも大切なモノがあるから」
私は両手を開いて、見つめた。
私の手は、国を背負うには小さすぎて、民を救うには届かないほど、短い。
「復讐よりも大切なモノ…国か?」
「ふふっ、一番は人。民が私の大切なモノ。私が愛したあなたも、そして父様やヘルダルフおじちゃん、みんなみんな、愛してる」
「あっ、愛!!?」
照れるレインに、私はとんでもない事を言った事に気づいた。
私、今レインを愛してるって言った!!?わー、馬鹿、そんな恥ずかしい事っ……。
気づいたら、言葉が勝手にっ………