深紅の花に姫君《改装版》



「ヴラド、あなたに私は殺せない」


私が、生きることを諦めていないから。私の命に、皆の希望があるというのなら………



「そうだ、お前にスイランは殺せねぇーよ!!!」


ーブンッ!!!


「グハァ!!!まだ息があった……のですか、人間!!」


私の前には、ボロボロのレインが立っていた。その剣はヴラドの肩口を大きく切り裂いていた。



ヴラドは後ろへ引き、レインを睨み付ける。


「ハッ……人間ナメんなよ……」


不敵に笑い、レインは剣を構え直した。



「お前の勝手で、世界メチャクチャにしてんじゃねぇよ。俺たちはな、馬鹿でも愚かだろーが、必死に生きてんだよ!!」


ーブンッ!!


「必死に?虫かごでもがく虫ケラが!!!」


ーガキーンッ!!!キンッ!!


二つの刃がぶつかり合い、火花が散る。












< 184 / 219 >

この作品をシェア

pagetop