不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
『ハルキ、アカリ…、
私、下行って様子見てくる』
初めて彼らを呼び捨てで呼んでみた。
声、震えてなかったかな?
名前を呼ぶという行為が、こんなにも緊張するものだなんて、初めて知った。
「…リンちゃん、それツバサにやればイチコロだよ」
部屋から出て行こうとする私にハルキがそう言った。
それでも恥ずかしくって振り向けなくって、
目の端で穏やかに笑うハルキを写しただけ。
その先の、アカリ…を、見ることなんて出来ない。
私はそのまま部屋を出ることにした。