君が教えてくれた事



ベッドに横になっても、なかなか眠れない。




目が覚めると、夢だったんじゃないかって・・・



幸せに慣れていない俺は、どうしてもそんな事を考えてしまう。






いつもより1時間も早く家を出た。



オープン・ラストのリカは、休憩に入るはずだ。



少しでも早く、リカに会いたかった。



自転車をこぐ足も自然と早く動き出す。



はやる気持ちを抑えながら店に入ると、いつもの様にバタバタと忙しそうに、みんなが働いている。


その中にリカの姿はない。



もう休憩に入ったのかな?




勢いよくバックルームに入ってみても、そこにもリカの姿はなかった。



ガックリしながら椅子に腰を掛ける。



「ふっ・・・俺、何やってんだよ・・・。」



あまりにも自分らしくない行動に、思わず笑ってしまう。




その時、バックルームのドアが開いて、料理を持ったリカが入って来た。



「歩太っ!」



居るはずのない俺の姿を見て、リカはビックリしていた。




リカは、持っていた料理をテーブルに置くと、迷う事なく俺に抱きついてきた。


「会いたかった!!」



そう言って、笑顔を見せてくれるんだ。



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