Contraire×Contraire

「ねぇ知ってた?侑貴、一昨日の説明会行ってないんだって」

流宇は私の反論をまるで無かったもののように扱い、ため息混じりに話し始める。
私たちは中学一年の時に出会ってから意気投合し、その時から常に一緒に行動している。ちなみに来羽の家と私の家は近所で、生まれた頃からの幼なじみだ。




「行かなくても良い、って書いてあったじゃん」

こんな状況で、実は寝坊しただなんて口が裂けても言えない。


 
「うわ、俺様だなぁ…。
内部生ならまだしも、ねぇ」

流宇が驚きながら溢す。
私たちが通う、私立蒼紅学園高等部は、幼稚園から大学までの一貫教育の学校。
中学から持ち上がりの生徒が半数を超えるため、その説明会は真面目な内部生と外部生のためのものだったわけだ。


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