空のギター
おいおいと泣く声が再びし始める。そんな母親を見かねたらしい綾子が電話を代わり、苦笑しながら光夜に言う。
「ごめんねお兄ちゃん。お母さん年だから、涙腺脆くなっちゃったみたい!」
「いや、良いよ。俺も最近涙腺緩くてさ……」
「そうなんだ。ねぇ、自己紹介しない?顔は合わせてないけど、初対面は自己紹介からでしょ!」
綾子の提案に光夜は快く応じる。小声で笑い合った後、綾子の方から口を開いた。
「赤月綾子です!お兄ちゃん、これからよろしくね!!」
「赤月光夜です。こちらこそよろしく。」
「うん!じゃあ、お母さんに代わるね!!」
再び母親の手に受話器が渡ると、今度は光夜から口を開いた。
「赤月光夜です。お母さん、今度お父さんのお墓参り連れてってね?」
「ええ、勿論よ。私は赤月美知花(みちか)です。その時は喫茶店にでも寄ってゆっくり話しましょうね。」
美知花は「また電話するわね」と言って名残惜しそうに電話を切った。光夜はそっと通話終了ボタンを押し、硝子に『お母さん達に俺の携帯番号教えておいて下さい』とメールをした。小画面から顔を上げた光夜の口元には、微かな笑みが浮かんでいた。
「ごめんねお兄ちゃん。お母さん年だから、涙腺脆くなっちゃったみたい!」
「いや、良いよ。俺も最近涙腺緩くてさ……」
「そうなんだ。ねぇ、自己紹介しない?顔は合わせてないけど、初対面は自己紹介からでしょ!」
綾子の提案に光夜は快く応じる。小声で笑い合った後、綾子の方から口を開いた。
「赤月綾子です!お兄ちゃん、これからよろしくね!!」
「赤月光夜です。こちらこそよろしく。」
「うん!じゃあ、お母さんに代わるね!!」
再び母親の手に受話器が渡ると、今度は光夜から口を開いた。
「赤月光夜です。お母さん、今度お父さんのお墓参り連れてってね?」
「ええ、勿論よ。私は赤月美知花(みちか)です。その時は喫茶店にでも寄ってゆっくり話しましょうね。」
美知花は「また電話するわね」と言って名残惜しそうに電話を切った。光夜はそっと通話終了ボタンを押し、硝子に『お母さん達に俺の携帯番号教えておいて下さい』とメールをした。小画面から顔を上げた光夜の口元には、微かな笑みが浮かんでいた。