空のギター
 ──小さな音響装置からは、いつから用意されていたのか、五人の耳に馴染んだQuintetの曲が流れてくる。SetsunaとRaiseiは初めから“そのつもり”だったのだと、Kouya達三人は漸く気付いた。

 耀人達四人は、少し離れた場所からQuintetのステージを見守っていた。いつの間にか自分達の方が蚊帳の外になっている。この敗北感は何だ……そう思いながらも、彼らはKouyaとKazamiとHiroのことを恨めしいとは感じなかった。それは、SetsunaとRaiseiの“輝く笑顔”があったからだろう。



「……雪那と頼星、凄く楽しそう。時間の長さって関係ないんだね。」

「うん。あいつら息合ってるよな!歌もダンスも!!」



 都香と叶がそんな会話をする。観客と見事に調和した五人の雰囲気は、とても一年足らずのものとは思えなかった。



「雪那と頼星の居場所、Quintet(ここ)にもあったんだね。」

「悔しいけど……そうみたいだな。」



 侑と耀人も、やっと事実を認めたようだ。このライブの模様は翌日に各メディアで大きく取り上げられたのだが、Quintetは全員硝子から酷いお叱りを受けることになってしまった。
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