空のギター

走り出そう、いま君と
輝く僕らの　New futureへ
君が何かに悩んだ時は
その手をそっと
引いて行くから



明日(あす)に向かって
投げるこの思い
加速する夢　諦めないで

掴んだその手は
離さないから
スピード上げて
go to there





　織春の華やかで力強い歌声に、観客は圧倒されている。曲が終わりに近付き、特効の火薬が盛大な音を立てた時、一部の客から発狂したような歓声が上がる。他の人々が何事かと思ってその方向を見た時──彼らの目には、颯爽とステージ上に現れたQuintetの五人が映った。





君に向かって
投げるこの思い
受け取る君は
いま隣に

明日(あす)に向かって
投げるこの思い
受け取る未来は
もうすぐそこに…





　突如ステージに現れた五人のバックダンサーを従えて、織春は甘くも芯の通ったその歌声を会場全体に響かせる。感嘆の声を上げる客も少なくない。

　秋らしい、グリーンのタータンチェックのチュニックワンピを翻し、首にクリーム色のストールを巻いた織春。黒いＴシャツと同色のキャップ、ジーンズという揃いの衣装を着た五人は、彼女との息の合ったダンスを観客に見せつけたのだった。