空のギター
「内容はどういった感じなんですか?」

「えーっと、僕達は全員仲良しの中3の役で、本当は卒業するのが嫌だと思ってるんですよ。
……はいSetsuna、バトンタッチ。作った本人が語らなきゃ!」



 Hiroの突然の言葉に、Setsunaは「……へっ?」と、とぼけた声を洩らす。その声に、客席から笑いが起こった。



「はいはい……えーっと、でも、自分達には別々の未来があるから、せめて桜が舞ってるこの瞬間だけは忘れずにいよう、って約束するんです。」



 Setsunaはそう言うと、Kazamiに小声で「続きお願い!」と頼んだ。



「終わりの方は、俺達が桜の木の下で演奏する風景も入ってくるんだよな。凄く綺麗ですよ!」



 Kazamiがそう言って隣を見れば、視線を受けたRaiseiが口を開く。



「“最後は感動する”っていうスタッフさん達のお墨付きなんで、皆さん是非見てみて下さい。」

「ありがとうございます。それでは早速歌って頂きましょう!3月8日に発売されました、Quintetで『桜舞う時』です。どうぞ!」



 司会者の言葉で、五人がステージに移動する。準備が整うと、演奏が始まった。
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