Blue Bird
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父は地元ではそれなりに名の知れた電機メーカーの社長だった。そんなに大きくはない会社だったけれど、一般の暮らしよりは安定していた。母はそんな父を献身的に支える専業主婦で、穏和で優しくなにより美人だった。そしてそんな間に生まれた兄は秀才だった。

この理想的な家庭の中で私はとても不釣り合いだった。なぜなら私は普通だからだ。そう。普通すぎるくらいに普通だった。

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