Blue Bird
「すいません…大丈夫です」

口から出た言葉は弱々しく、とても大丈夫そうには聞こえなかったと思う。

それでもいまの私にはこれが精一杯だった。


「…陸のことか?」

少しだけ声を落として大翔さんが言った。


大翔さんとは先日、兄さんの話をしたばかりだった。私たちはお互いに兄さんの無実を信じている。同じ共通点があることから私たちは協力することになった。

どうやら私が上の空なのをみて兄さんのことで悩んでいると思ったらしい。


「あいつのことはこないだ話した通りだ」


「…はい」
< 302 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop