Blue Bird
「気がついたら手にナイフをもった陸が立っていた。俺と目があったあいつは悲しそうな目をしていた」


「…はい」


「けど…どうしても引っ掛かるのは、俺は握って立っていたところしか見ていない。あいつが直接指した瞬間をみてないんだ」


そうだった…大翔さんは兄が指した瞬間をみてはいなかった。少なくとも話してくれたときはそう言っていた。


「…だから尚更かもな。あいつが犯人だとは思えない」

そう言って私の肩を掴んでいた手が離れた。
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