俺様上司は、極上の男!?
なんだか、明日の会議を前に気遣ってくれてるみたいだし、ご一緒しようかな。
終電までなら、あまり時間もない。ささっと食べられるところだろう。


「はい、お供します」


「ホントはホテルにでも誘いたいところだが、今日はラーメンで勘弁しろ。美味い店がある」


いえいえ、ラーメンで充分です。むしろ、ホテルよりラーメンが大好きです。

駅を行き過ぎ、駒沢通りを進む。

渋谷橋交差点の手前、裏手に入ったところにごく普通のラーメン店があった。
中はカウンター席ばかりで、男性客で混み合っている。

ちょうど、奥の二席が空いたので、課長と並んで座った。

古き良き中華そばは煮干しだしで、想像したよりずっと美味しい。こんな時間なのに、罪悪感なく食べられるさっぱり味だ。


「美味しいですね。麺の卵っぽさが懐かしい感じで」


「わかるか。俺もそう思ってた」


課長がふっと微笑む。
この人、自炊しなさそうだし、恵比須近辺でお気に入りの店を見つけてるんだな。

以前の職場はどうだったんだろう。
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