俺様上司は、極上の男!?
話していて肩がこる人は苦手だ。

私が好きなのは、同じ目線で語れる、同じ価値観の男性。
よく笑って、よく喋って、二人でいる時間が楽しくてしょうがないような。

……やめよう、こんなこと考えるのは。

男なんて、外っ面と中身は全然違うんだから。
櫟課長にしろ、あいつにしろ……。


「つぐみ!」


デスクに頬杖をつき、パソコンの起動を待つ私の背後から声が降ってきた。
社内では基本、名字で呼び合うのが暗黙の了解。だから、私の名前を呼ぶ声は少しひそめられている。

振り向くとそこには恵子(めぐこ)さんがいた。ふたつ年上の仲良しの先輩だ。


「メグ子さん、おはようございます」


「顔、むくんでるわよ。体調悪いなら、無理しなくていいのに」


私の体調不良説を流したのは櫟課長だろうか。
そうだろうな。
しれっと電話を受けたフリでもしたんだろうな。

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