良い子とは呼ばせない
「桃ちゃんも、ここにおいでよ」



しばらく黙ったのち、まどかは突然そんな事を言い出した。



「何言ってんの!?あと5分で授業だよ!!それより早く降りておいでよ」



私は突然の言葉にビックリした。
まどかは自由奔放だけど、私を巻き込むことは今までなかったから。



「いや!桃ちゃんとこの景色が見たい。授業なんて別にいいじゃん」



言いだしたら聞かないまどか。
「あー風が気持ちいい」
とわざとらしく言ってくる。


とは言え、私も彼女の提案に心ひかれていた……。



どうせ授業参観にお母さんは来ないし。



「私にも登れるかな?」



気付いたら、私は木に手をかけていた。
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