良い子とは呼ばせない
「本当に気持ち良いね」


私は何度もそう呟いた。



登ってみると、木は予想以上の高さで、少しだけ恐怖もあった。
初めて授業をさぼったことに不安もあった。


だが、そんな気持ちを、夏の風がほぐしていくのが分かる。



まどかと同じ景色を見ている。
それが何だか嬉しかった。


もっと、もっと色んな気持ちをほぐして欲しい。



そして、この仮面を外して欲しい……。
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