腹黒王子の取扱説明書
ドキドキしながら俊を観察していると、突然専務室のドアが開いて須崎さんが顔を出した。

「あっ、情事の最中だったか?中山さんて意外と肉食系?」

須崎さんが私を見てゲラゲラ笑う。

確かに、端から見れば私が馬乗りになって俊を襲ってる図に見える。

俊に見とれていた罰が当たったのかもしれない。

「違います!誤解しないで下さい!」

私はブンブンと首を横に振り、慌ててソファーから下りる。

「悪い、悪い。邪魔者は消えるわ」

部屋を出ていこうとする須崎さんを私は必死に引き留めた。

「須崎さん、行かないで!助けて下さい!」

お願いだから、放置しないで!

私の長い夜はまだまだ続きそうだ。
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