腹黒王子の取扱説明書
私の心の中に彼がいる。

だから、今の私は強くいられる。

あんなスケベ男には絶対に屈しない。

夜の仕事だって家族のためにやったことだ。

私は負けない。

だから、お願い……。

毎日でなくていい。

俊の声を聞かせて。

仕事の話でも、軽口でも何でもいい。

あなたを側に感じたい。

俊が帰国したら私も俊に言いたい。

言いたくてたまらない。

「私も……俊が好き……」

いざ口にしてみるとちょっと恥ずかしい。

でも、彼に伝えたい。

早く、早く…俊に会って言いたい。

溢れるこの想い。

彼が好き……。

やっと自覚した自分の気持ち。

ううん、本当は抗ってただけでもっと前から好きだったかもしれない。
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