モテすぎる先輩の溺甘♡注意報


アパートの前でキスしているのも、女の子が必要以上にくっついて2人でイチャイチャしながら歩いてるのも何度も見た。


ひーくんと鉢合わせるたびに、あたしは平然を装った。


見た目は変わったものの中身は昔のままで、必ず会えばあたしの頭をポンポンと優しく叩いた。



それが嬉しくて、会わないかなぁと毎日考えながら外を歩いていた。



そして、あたしも中学生になり………思春期が到来して更にひーくんと関わる時間は減った。



……そんなあるとき、ひーくんが引っ越すという噂が耳に入って、偶然にもその日にひーくんとアパートの前でばったり会った。



このとき……あたしはひーくんに気持ちを伝えようとした。

「ひーくんのことが好き」と。

だけど、結局伝えることはできなかった。



なぜなら……「いい彼氏見つけろよ」と、笑いながら捨て台詞のようにそれだけ言って、いつものようにあたしの頭を叩いたから。



告白せずとも振られたも同然の言葉をもらい、あたしは結局告白することができなかった。

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