俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
駿祐が帰ると、母親はハイテンションで持て成した。


バイトから戻った慶太は、
玄関先の、いつになく高い母の声と、見慣れない靴から、
駿祐の帰宅を察知し、
そのまま、自分の部屋へと直行した。


それに気がついた駿祐は、
さり気なくリビングを出て、あとを追うと、
部屋のドアが閉まる寸前に

「うっす」と、声をかけ、

部屋に押し入りドアを閉めた。


驚いた表情で振り返る慶太は、言葉が出ない様子。


「バイトだって?」

「ああ。」

「大変だな。俺、経験無いから感心するよ!」

「別に大変じゃねーし。」

「サーフィンやってるって?そのための学校選びだったってワケか?」

「ちげーよ。」

「だよなぁ。」

「…なに?」

「こっちの台詞だよ。おまえ、なにやってんの?」

「…青春だよ!今しかない時間を謳歌してるに決まってんだろ!」

「あとになって、後悔しないか?」

「ほっとけよ…」

「俺、今度、インカレ狙って、大会出るんだ!」

「…だから何だよ。」

「怪我も完治して、あとは気力っていったとこなんだけど、ホラ、今俺、心の支えが無いじゃん!」

「…」

「おまえと張り合うのも良いかなぁと思ってたんだけど…コレじゃあダメだなぁ。」

「何のことだよ。」
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