俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「あ〜、寺岡ねぇ。」

話を聞いた亜希は、
駿祐のことを、知っている様子だった。


「亜希ちゃん、知り合い?」

「小学校、一緒だったもん。あたしはアイツ、嫌いだけどね。」

「どうして?」

「なんて言うか、態度が偉そうで…ムカつく!」

「そうかな?」

「水泳の授業の時は、スター扱い。勉強も普通にできて、足だって速い…確かにモテて、チョコとかもスゴイ貰ってるって噂があったよ。」

「へ〜。スゴイんだぁ。」

「琴ちゃん!止めときな!アイツ、その貰ったチョコ…食べずに捨ててるって話だよ。」

「え?」

「人の気持ちを、なんだと思ってんだって感じでしょ!」

「でも、噂でしょ?」

「アイツには弟が居てね、その子を捕まえて聞いたって言うから、ホントなんだよ、きっと!」

「そんな風には、見えなかったけどなぁ。」

「一回、話しただけじゃん!」

「ん〜。でもさ、お礼だけは、ちゃんと言わなきゃだし。」

「言わなくてもいいんじゃない?だって、拾ったから、下駄箱に入れただけだよ、絶対。」

「…」

「ね!それより、願いごとってなんだったの?」

「…素敵な出会いがありますように…」

「…なるほど。でも、寺岡は止めときな!ね!」

「…」


亜希に言われた琴乃は、
わざわざ、上の階へ上がってまで、お礼を言うのは、止めることにした。

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