俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「なんだっつんだよ!」

「あい…琴乃さんの気持ちの問題だろ!」

「…」

「俺は!」

駿祐から離れて、背中を向けた慶太は

「前に一度ふられてるし…」

そう言って、ドアノブに手を掛けた。


そして本当は、駿祐を部屋から追い出すつもりだったのだが、


「今度!」

後ろから投げ掛ける駿祐の言葉に耳を傾け、

「琴を引き止めることができたら俺、今度はもう離さないから…」


その台詞に、苛立ちを隠せなかったようで、
自分の部屋にもかかわらず、ドアを開けると、
駿祐を残し出ていった。



数日後
駿祐のもとに、高校のコーチから電話がはいった。


それは、慶太が水泳部に戻った報告で、

と言うことは、
駿祐との賭けにのったと言うことなのか…有耶無耶なところに

「おまえも、もう二十歳か。」

しみじみとコーチは語り続けた。


「良いな〜!今がちょうど絶頂期ってとこかぁ?」

「本当なら…」

「調子はどうだ?足はまだ」

「いやぁ、もう完治です。怪我してたからってのは言い訳になりませんよ。その怪我を練習中にしてるんすから、その段階で自己管理ができてなかったってことで、スポーツマンとして」

「おいおい、相変わらず自分に厳しいんだなぁ」

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