俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
そして、発信ボタンが押された駿祐の携帯電話には、

「…電波の届かない所に居るか、電源が…」

誰もが、一度は聞いたことあるであろう音声が流れてきた。


すると駿祐は
なぜか、ホッとしたような
気が抜け、ガッカリした様な、軽いため息を吐き、
そっと携帯を閉じたのだった。



その時琴乃は、
亜希が主催の合コンに参加していた。


人数合わせと言う名目で、説得に応じた琴乃だが、

亜希のことだ、
何か魂胆があるに違いなかった。


メルアドの交換を避けるため、電源を切って、携帯を忘れたフリをしていた、その最中の事だったのだ。


唯一、まだ19歳と言うことで、
アルコールも飲まず、客観的に、その様子を観察するような、
そんな琴乃は浮いていた。


もちろん、二次会に参加するつもりなどなかった琴乃は、
しつこく誘われることもなく、家路へと向かって行った。


「琴乃ちゃん。」


呼び止められ振り替えると、そこには、
さっきまで店で、同じテーブルに座っていた男性が立っていた。


「あれ?二次会は?」

「あ〜。なぁんか今日は、乗り気じゃなくて…」

「はぁ、そうですか。」

「琴乃ちゃんも、そんな感じ?なぁんか、場違いな空気が流れてたけど。」

「ホントですか?すみません。」

「それも手の内だったりして?」

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