俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
長男と次男では
こうも、性格が違うもなのか…

駿祐と比べると、
少し自己主張が強いところがあるが、

一昨年、去年と、
大会では大活躍をして、

今年は、水泳部の部長を任されたとか…

このくらいの性格でないと、務まらないのであろう。


いつのまにか、関心を持っている琴乃は、

やはり、こうやって、
駿祐のことを気にしているのだ。


そして、急に、琴乃は思い出した。

琴乃と弟は、これが初対面ではなかったことを…


あの、夏まつりの夜、

駿祐にフラれた、まさに、あの瞬間に、
ふたりは、言葉を交わしているし、

迎えに行った時、
顔だって見られているのだった。


「ヤバい!気付かれないようにしないと〜。」


そうとも知らずに、
紺野の奴が、やたら、

「琴乃ちゃ〜ん!」と、

話しかけてくる。


しかも、この男、

兄だけではなく、弟とも交流があるらしく…

それとなく、
琴乃に、弟の慶太を紹介しようとしているのがわかった。


「なんだよ〜、なんでこんな隅っこに居んのぉ?」

(最悪だ〜。)

「ちょっと来いって!紹介するよ…こいつ、駿祐の弟!」


こうして、
その日、はじめて、

琴乃と慶太は、目を合わせた。
< 38 / 238 >

この作品をシェア

pagetop