俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜

まなざし

プールから戻って、食事をとっている駿祐は、
リビングからの視線を感じた。

「なんだよ?」

「ん?別に。」

そうは言ったものの、
ゆっくりと立ち上がった慶太は、
テーブルに歩み寄ると、
駿祐の正面の椅子を引き、腰掛けた。


「?だから、なんだって!」

「俺さ、高校でも水泳続けようと思って。」

「…へー、そうかぁ。」

「だから、それなりの学校に行こうと思うんだけど…推薦とかはなくても、もし俺が、兄貴と同じトコ受けるって言ったら?」

「…おまえが、そう考えるんなら、良いんじゃね?」

「…」

「おまえなら圏内だろ?」

「まあ、ちょっと下げるかな。」

「はいはい。」

「…」

「どうした?」

「対決してやんよ。」

「…」

「みてろよ!」

「お、おう。頑張れよ。」



なぜ、慶太がそんな言葉を発したかというと…

その前の日の塾の帰り、

家路の途中にある、コンビニエンスストアーに立ち寄った慶太は、

「慶太くん?」

後ろから声をかけられた。


聞き覚えのある声に振りかえると、

「おー、久しぶりっす!」

やはり、それは琴乃だった。

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