無理矢理繋いだ赤い糸
「あ、杉原くん」
「よう、久しぶり」
「うん、久しぶりだね」
「うわー、杉原アンタ、ちっとも変わらないね」
「はぁ?これでもな、随分変わったんだぞ俺」
「そうそう、コイツ、こんなナリして甘いモノ好きが高じてスイーツ専門店のオーナーだぞ」
「あ、テメェ、言うんじゃねぇよ!」
杉原くんと、名前覚えてない(ごめんなさい)男子の遣り取りに声を上げて笑う。
本当は私、高二で同じクラスになった時、杉原くんの事がちょっとだけ好きだったから、なんだかドキドキしてきてしまった。
「夢、叶ったんだね」
私がそう言うと杉原くんが、一瞬ビックリしたように私を見つめて、次の瞬間には破顔した。
「覚えてた?」
「うん。だってよく言ってたでしょ?…実現するなんて凄いね。おめでとう」
「おう、ありがとな。今度皆で来てくれよ、サービスするからよ」
「ほんと?杉原アンタいいヤツだったんだねぇ~」
突如横から割り込んできた友人の現金すぎる言葉に、皆で声を上げて笑う。