恋愛喫茶店 ~罪と一緒にスイーツを~
「……ほしの……ひかり。」
わからなかったから、付けられている名札を読んだ。
いろんな人の名前を知る為にと、学校から今日一日だけ付けてくれと言われた名札。
くだらないと思っていたけど、この時だけは、ちょっと感謝した。
「そう!隣の席の、星野ひかり。日下あかりさん、よろしくね。」
息を切らして、はあはあと言いながら、でも、笑顔で。
「いやー、終わったと同時にフラフラ~っといなくなっちゃうんだもん。もう帰ったかなと思ったけど、下駄箱にいてくれてよかった。」
「なんで?……なんで、わたしを?」
嬉しい、すごく嬉しい。
けれど、なんで?
担任の先生の話も、うわの空で、全然聞いてなくて、ただぼけ~っとしてただけなのに、どうして、こうまでして追いかけてきてくれたのだろう?