【完】山崎さんちのすすむくん
感情と理性の狭間で



慶應二年 七月六日






漸く郡山宿(現大阪府茨木市)まで戻ってきた。


明日の夕刻までには屯所に戻れるだろう。


気持ちは急くが天気も悪い。今日のところは此処で大人しくしておく。


京を発ってもう五月。


まさかこれ程に長く屯所を空けることになるとは思ってもみなかった。


あの一件以来身の安全の為、酒も口にしていないという寂しい生活だったが、この目であの戦いを見れたことでそれも報われる。


ただ、最低限の連絡しかとれないと言うのは何とももどかしい。


色々と心配だ。


副長は俺が心配するようなことなどないだろうが、沖田くんは大丈夫だろうか。


もしかしたらもう病のことは周囲に知れているのかもしれない。


体調はどうなっているのだろう。


医師としても仲間としても友としても、気になるところだ。


監察二人がいない屯所の様子も気になる。


長州征討を受け、京の治安はどうなっているのか。


ずっと連絡のない俺に、夕美は何を思っているんだろう。


兎も角、全ては今考えても仕方のないこと。


早く寝て早く起き、早く京に戻るに限る。




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