【完】山崎さんちのすすむくん
出会い迷いて過ぎゆくは



慶應三年 十月十六日


曇りのち雨



先日から話のあった大政奉還が昨日、天子様により勅許なされた。


これにより長く幕府が握っていた政権が朝廷へと返されることとなったのだが、今暫くは変わらず幕府が庶政を行うようだ。


どうやらこれは土佐による、諸国の小競り合いを平和的に収める為の秘策、らしい。


これから諸大名が京に集められ、徳川家を筆頭とする新たな政権が作られるという話だ。


確かにそれならば、幕府の上に天子様を擁することになり、尊皇を掲げる連中も真っ向からの反論はしにくくなるのだろうが。


そう上手くことが運ぶかどうかは些か疑問だ。


結局は現状と変わらぬそれに彼方も簡単には納得すまい。


数日前にも薩摩や陸援隊の連中が二条城やうちに討ち入りを企んでいるとの諜報があったばかりだ。


大政を奉還したことが凶と出なければ良いが。


とりあえず、直参である我々は現状維持とのこと。


副長が東下されている今、これ以上の大きな動きがないことを願う。



< 462 / 496 >

この作品をシェア

pagetop