first love
「美華、店長にしとけばいいのに。」

「それならあんたもマナミがいるじゃん。」


そう言い合うとあたしたちは笑った。



「あたしたちバカすぎない?
なんでダメなやつ好きになっちゃうんだろうね」

「あーあ、マナミと付き合ったらこんな悩みもなく、幸せなんだろうなー。」


池田がそう呟いた。


あたしは、店長といた日々を思い出してた。


確かに幸せだった。
悩みなんてなかった。





翔と再会するまでは。















間違いなく、あたしの人生揺らがしているのは翔だ。


幸せなままでいればよかったのに。

翔と出会っていなければ、今もきっと店長と幸せな毎日を送っていたのに。
こんなに苦しい感情、知らずに済んだのに。



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