向日葵の事情

亀裂



「ごめん、超重いよね」


「いや、いい。ありがとな」

みんながあたしに気を使っている。
正直それが重い。


「異母兄妹ってことは、お父さんが同じなんだよね?」

「そうだよ」

「じゃあ、その人が有馬ちゃんのモヤモヤ解消させてくれるよ多分」

「おい、梓。そいつに会えって言ってんのか?そいつは、その…有馬を捨てたも同然なんだぞ?」


「彩都。確かにあの人はあたしを捨てた。でもその前に時雨の家はあの榊組なんだよ」


榊組とは…錦グループが表社会でNO.1なら裏社会のNO.1だ。


「まじか…時雨は若頭なのか」

「でも…やっぱり親子なんだから
ガチンコでいかなきゃ!」


確かに…聞きたいことはある。

なんで、あたしが生まれたのか。

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