彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
結音の変わりなんて存在しない。


存在しないとちゃんとわかっている。


それでも考えてしまうんだ。


もしも付き合っていたのが薫子なら……なんてことを。


こんな自分を、俺は最低なヤツだと思う。


この考えは絶対に口に出す事もできない。


「ねぇ燈里。そこまで悩むのなら、あの人形捨てた方がいいと思う」


俺がずっと無言でうつむいていたからか、美奈はそう言ってきた。


「え?」


「あの人形を持っているのなんて、やっぱり普通じゃないと思う」


美奈は真っ直ぐ俺の目を見てそう言った。


あぁ。


そう言う事か。
< 142 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop