彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
結音が俺の両親と楽しく会話をしている光景を瞬間的に思いだし、ズキンッと胸が痛んだ。


結音が事故にあう前は、こうして俺の家に遊びに来てご飯を囲んだりもした。


俺の両親は結音の事を本当の娘のように思っていたんだ。


「燈里、なにぼーっとしているの?」


母親に声をかけられてハッと我にかえる。


「いや、すごいだろ? その人形」


「本当だな。会話もできるし、本物の人間みたいだ」


父親がジロジロと薫子を見て言う。


「薫子ちゃんなんて、可愛い名前ね。でもちょっと……似すぎているかもしれないわね」


母親は茶碗にご飯をつぎながらチラリと俺を見る。


「まさかこんなに似ているなんて思っていなかったんだ」


俺は素直にそう答えた。


輪郭のパーツを見たときに結音に似ていると思っていた。
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