彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺と結音は遊園地に行った事がない。


この辺には遊園地がなくて、少し遠くまで行かなきゃいけないからだ。


高校の卒業旅行に4人で行こう。


そう話していた事を思い出す。


だから、薫子から遊園地の話を聞くのが違うと感じた。


「薫子。俺たち遊園地には行った事がないよ」


「え? なにを言っているの? この前行ったよね?」


今度は薫子が表情をこわばらせる。


インプットされた情報が相手に通じない。


相手が合わせてくれない。


そんな事態に混乱しているようだった。


「俺たち、遊園地には行っていない。薫子の持っている記憶は間違っているんだよ」


「……わからない」
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